Fudaraku Temple
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Fudaraku Temple
Northern Kyoto ・市原にある Fudaraku Temple( Kyoto 市左京区市原)は、数多い小野小町( Ono no Komachi )legend の舞台の一つである。
Ono no Komachi は、「○○ Komachi 」という美女の代名詞を今に残し、六歌仙の一人にも数えられる平安時代の絶世の美女である。
Ono no Komachi は、才色兼備の女性であるゆえか、はたまた恋多き女性だったためか、その生涯の事跡についても様々な legend が語り継がれている。
Fudaraku Temple は、名刹の寺号を継承しながらも、Ono no Komachi 終焉の地ということで、俗称の「 Komachi Temple 」のほうが一般化しているほどだ。
十三本檜
Komachi Temple は、市原の南の外れ、鞍馬街道の切通し部分の坂上にある。
石段を登りつめたところが境内で、真っ先に視野に飛び込んでくるのは、十三本檜(ヒノキ)と呼ばれる奇怪な形状の樹木。1本の根元から 13本の幹が生えている奇木だ。
Komachi 老衰像
境内の正面には本堂が建つ。
本尊は阿弥陀仏。
その右側に、高さ50センチほどの不気味な坐像がある。
Komachi 老衰像だ。
若き日の美貌は見る影もない、無残でおどろおどろしい老醜が刻まれていて哀感を誘わずにはおかない。
姿見の井戸
本堂の右隣にある小さな池は、Komachi の姿見の井戸。
老いさらばえた Komachi が、この井戸の水面に映った自分の醜い姿を見て嘆き悲しんだと伝えられる。
穴目のススキ
井戸の右横には、穴目のススキが残る。
Komachi の遺体が風葬にされた場所で、白骨と化した Komachi の目の穴から生え出したというススキが、今も春になると芽吹き、秋には枯れていく。
その数は20本ほどだが、扇形の石囲いの中で風に揺れるススキは、人生の無常を十分に味わわせてくれる。
深草少将の legend
本堂に向かって左手前の道を入っていくと墓地。
その入口付近にひときわ立派な石塔がある。
深草少将の供養塔である。
深草少将は、Komachi に恋い焦がれ、雨の日も風の日も、夜ごと彼女のもとに通い詰めたが思いは通じず、とうとう99夜目に身も心も燃やしつくして息絶えたという。
一説には落雷の直撃を受けたとも、大吹雪の中で凍え死んだともいわれるが、命がけの恋が成就しなかった男の悲哀と無念が伝わってくるような気がする。
ゆるやかな坂道をまっすぐ進んだ突き当りにそびえているのは Ono no Komachi の供養塔。
高さ約4m の石造の五重塔で、傍らに「小野小町供養塔」と彫った標石が建てられている。
Komachi の歌碑
供養塔のすぐ裏手には Komachi の歌碑があり、百人一首にも見られる彼女の歌が、小ぶりの 板石に刻まれている。
花の色はうつりにけりないたずらに
我が身世にふるながめせしまに
この歌のとおり、次第に容色の衰えた Komachi は、人生の無常をかみしめつつ、この地で最期を迎えたのであろうか。
恋に死んだ深草少将の悲劇の物語。
美女の行く末を暗示するかのような Ono no Komachi の寂しい最期。
Komachi Temple は、二人の霊がさまよい出そうな雰囲気の中に、ひっそりとたたずんでいる。